ブログ

2007/10/30 火曜日

NOVA問題

いま、スクール業界ではNOVA問題が非常に大きな話題になっています。
マスコミでは猿橋前社長の個人的な攻撃になってきている感もありますが
業界内にいる者としては本質を見誤ってはいけないと思います。

そこで、非常に良いと思う記事を紹介します。

日本を代表するコンサルタントである大前研一氏のNOVA問題に
関する考察です。本質的な部分にまで言及されており
非常に考えさせられるものがありました。
 

大前研一「ニュースの視点」
KON167 “NOVA”騒動に見る!日本の英会話事業の本質的な問題
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 NOVA 他社との資本提携を含めた再建策を検討
 2期連続赤字  一部業務の停止命令などを受けて
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

●受講生本位ではなく、事業家本位の考え方が、根本的な問題だ

16日、英会話学校最大手のNOVAが、他社との資本提携を含めた
再建策を検討していることがわかりました。

同社は教室の急拡大戦略が裏目に出て、05、06年度と2期連続
赤字を計上。さらに、中途解約時の精算方法などを巡って、経済産
業省から一部業務の停止命令を受け、経営悪化が懸念されています。

※「NOVAが経産省から特定商取引法違反と認定された主な行為」
「NOVAが経産省から特定商取引法違反と認定された主な行為」チャート

なぜ、日本の英会話業界の最大手であるNOVAが、このような事態に陥ってし
まったのでしょうか? 一番大きな理由は、事業家本位の考え方にあると私は思います。
NOVAの猿橋(さはし)社長は、自ら広告CMを手がけるほど事業意欲が強く、
また才覚がある経営者です。それゆえ、NOVAの経営は、「全国に1000支店を作ること」
などが目標とされ、事業の拡大路線を追い求めるようになってしまったのでしょう。

しかし、本来的には、英会話事業に携わる者は、教育者でなければいけません。
もちろん事業を拡大させることも大切なことでしょうが、忘れてはいけないのは、
受講生の方たちがどのくらい英語が上達したのかという、受講生本位の観点なのです。
NOVAが抱える問題として、誇大広告・不実告知・重要事項の不告知などが指摘されています。
しかし、教育者という立場を大前提に考えるなら、受講生本位ではなく、
経営と事業目標を前面に押し出した事業家本位の考え方そのものが、
そもそも本末転倒だったのではないかと私は強く感じます。

●世界の中で、日本の英会話事業だけが衰退しているという事実

NOVAの経営姿勢そのものの問題に加えて、日本の英会話事業の特性が
今回のNOVA問題を後押ししていると私は思います。
それは、日本の英会話事業が「衰退産業」だということです。
一部の新聞報道では、英会話事業が「飽和」状態にあるため、英会話学校による
無理な勧誘などにつながっていると報じているようですが、これは違います。
日本の英会話事業は、英語の学力向上という成果が出せないまま、
長期的な衰退傾向に入っているのです。

今の日本人は、特にこの10年の間に、すっかりめげてしまって、
英会話を習おうという「意欲」そのものが低下してきていると感じます。
このような市場環境も手伝って、同業他社の中でNOVAを救済するための
キャッシュを用意できる体力のある会社を見つけるのは難しいのではないかと思います。
また、英語を母語としない国、特にアジアの中では英会話事業が「衰退」して
いるというのは、日本特有の現象だと思われます。
中国でも韓国でも、他の国々では、逆に英会話ブームが起こっています。

世界で活躍するビジネスパーソンとしての基本的な能力の1つですから、
英会話ブームになるのは自然な成り行きです。
日本人の英語能力が向上せず、世界の国々と比べて著しく低いレベルにある
という課題については、私も思うところがあります。

「生涯にわたるビジネスマンの教育」を標榜し、世界に通用する日本人を育成する事を
目的として掲げるBBTとしても、『コミュニケーション能力は重要』と考えているからです。
英会話事業をすることは無いと思いますが、何かしらの形で、
この英語・コミュニケーションの領域は、アジェンダに加えていかねばならないと考え始めています。

                                                      以上

Filed under: スクール関連ニュース — 高橋明裕 @ 9:00:30